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相続登記をする際の流れ

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年9月3日

1 相続登記の流れ

被相続人の方がお亡くなりになり、相続財産に不動産が含まれている場合には、相続登記が必要となります。

相続登記は、2024年4月1日から義務化され、この義務に違反した場合には罰が課されることがありますので、確実に行っていく必要があります。

相続登記をするには、まず戸籍謄本類を収集し、相続人を確定させます。

相続人が複数いる場合には、遺産分割協議をして、不動産を取得する相続人を決め、その内容を記した遺産分割協議書を作成します。

その後、相続登記に必要な書類の作成・収集を行い、管轄の法務局に相続登記の申請をします。

相続登記に必要な費用についてはこちらにまとめておりますので、参考にしてください。

以下、相続登記をする際に必要なことについて詳細を説明します。

2 相続人の調査・確定

相続人が確定したことを客観的に示せるようにするため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を用意する必要があります。

被相続人が何回も転籍等をしている場合や、代襲相続が発生している場合には、戸籍謄本類の収集の負荷が高くなりますので注意が必要です。

これらの戸籍謄本類は、相続登記の際、法務局に提出します。

法定相続情報一覧図でも代用可能です。

参考リンク:法務局・主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

3 遺産分割協議書の作成

相続人が複数いる場合には、相続登記の対象となる不動産を、どの相続人が取得したかを客観的に示すため、遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺産分割協議は、相続人全員で行わなければ無効となってしまうので、相続人調査で確定させた相続人全員で行ったうえで、遺産分割協議書には相続人全員が署名、押印します。

押印には実印を用い、各相続人の印鑑証明書も添付します。

遺産分割協議書と各相続人の印鑑証明書も、相続登記の際、法務局に提出します。

遺産分割協議書を作成する際の流れについては、こちらをご参照ください。

なお、相続人が1名のみである場合には、遺産分割協議自体不要なので、遺産分割協議書も不要です。

相続人調査で収集した戸籍謄本類によって、相続人が1名のみであることを証明することで足ります。

4 相続登記の申請

⑴ 相続登記申請書の作成

被相続人、相続登記の対象となる不動産、登記の原因(相続)、相続によって取得する相続人など所定の事項を記載し、法務局に対して相続登記を申請するための書類を作成します。

相続登記の申請書は、法務局のウェブサイトにて公開されています。

参考リンク:法務局・不動産登記の申請書様式について

⑵ 固定資産評価証明書

相続登記の際には、登録免許税という税金を納める必要があります。

登録免許税は、相続登記の対象となる不動産の固定資産評価額をもとに計算します。

固定資産評価額の根拠を示す書類として、相続登記を申請する年度の固定資産評価証明書が必要となります。

固定資産評価証明書は、相続登記の対象となる不動産が存在する自治体で取得します。

固定資産評価証明書の代わりに、固定資産税・都市計画税の納税通知書に添付されている固定資産税・都市計画税課税明細書を使うことができることもあります。

⑶ 登録免許税分の収入印紙

登録免許税は、多くの場合、登録免許税相当額の収入印紙を、相続登記申請書と併せて管轄の法務局に提出することで納めます。

登録免許税の金額は、固定資産評価額をもとに、所定の計算方法によって算定します。

また、特定の要件を満たす場合には、特例の適用によって登録免許税を減額できることもあります。

収入印紙は、法務局や郵便局で購入することができます。

少額であればコンビニエンスストアでも購入が可能であることもあります。

⑷ 住民票

被相続人の住民票除票と、不動産を相続する方の住民票も必要になりますので、市役所等で取得します。

⑸ 管轄の法務局に相続登記の申請を行う

相続登記の対象となる不動産を管轄する法務局に対し、申請書等を提出します。

管轄の法務局は、相続登記の対象となる不動産の所在地によって決められています。

参考リンク:法務局・管轄のご案内

管轄の法務局がお近くにある場合には、相続登記に必要な書類を直接提出することもできますが、遠方の場合には郵送による提出も可能です。

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