公正証書遺言の費用について
1 公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳
公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳は、大きく分けて、弁護士などの専門家への手数料、公証役場に提出する資料等を取得する費用、公証人に支払う手数料です。
そのほか、事情があって公証人に出張を依頼する場合等には別途費用を要します。
3種類ある遺言のうち、公正証書遺言の作成には、比較的大きい費用を要するといえます。
遺言の種類とそれぞれの特徴については、こちらも参考にしてください。
公正証書遺言の作成にどれくらいの費用がかかるか気になる方も多いかと思いますので、以下、それぞれ費用の詳細を説明します。
2 弁護士などの専門家への手数料
公正証書遺言の作成を専門家に依頼した場合にかかる費用は、財産の内容や相続人・受遺者の構成等にもよりますが、一般的には10万円から30万円程度が目安です。
相談先の事務所によって費用は変わってきますので、ご依頼の前に詳細を確認しておくことが重要です。
なお、ここでいう専門家に依頼した場合の費用というのは、公証人に支払う手数料はとは別になりますのでご注意ください。
そもそも公正証書遺言は、専門家に依頼しなくても作成すること自体は可能です。
もっとも、公正証書遺言の下書きの作成や、公証役場とのやり取り、必要な資料の収集などには専門的な知識が必要となります。
公正証書遺言を作成する際の流れについて詳しくは、こちらをご参照ください。
これらのことを専門家でない方が行うのは大変ですので、公正証書遺言の作成は専門家に依頼することをおすすめします。
特に公正証書遺言の下書きの段階で、どのような内容の遺言であれば相続後の争いを避けられるかという点については、相続の紛争案件を扱っている弁護士にご相談いただくのがよいかと思います。
公正証書遺言の作成自体は公証人が行うため、形式面での不備はないものと考えられますが、内容面について確認してくれるわけではないため、紛争予防の観点から弁護士に遺言案を相談しておくことをおすすめします。
3 公証役場に提出する資料等を取得する費用
公正証書遺言は、下書きのブラッシュアップや見積もりなど、公証役場とのやり取りを通じて作成されます。
その際、公証役場に対して、財産の評価額や、相続人・受遺者を裏付ける資料等を提供する必要があります。
これらの資料の収集には、一般的には、数千円程度を要します。
4 公証人に支払う手数料
公正証書遺言作成の際には、弁護士等の費用とは別に、公証人に支払う手数料が発生します。
公証人に支払う手数料は、遺言に記載する財産の評価額によって変わりますが、一般的には数万円程度です。
参考リンク:日本公証人連合会・公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?
また、公正証書遺言を作成される方の中には、ご高齢や持病をお持ちであるなどの事情により、外出が困難である方も少なくはありません。
そのような場合には、ご自宅や施設・病院のお部屋等に公証人が出張してくれます。
公証人に出張を依頼した場合には、別途交通費や日当が必要となります。
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